◆「長年の悪質な買収運動だ」と専門家指摘
刑事告発をした上脇教授は次のように指摘した。 「衆参の国政選挙における京都の各立候補者側が、京都府連を介して自らの選挙区内の府議や市議らに選挙運動してもらうために50万円を渡して運動買収するスキームは、2019年の参議院選までの収支報告書で確認されていました。
11月末に昨年分の収支報告書がネット公表されたのでその記載を確認したところ、昨年の衆議院選でも同じようにマネロンによる買収が行なわれていたと確信しましたので、そのことを詳細に説明した告発補正書の他、京都地検に候補者6人と府連の収支報告書を送付しました。
この長年続けられてきた悪質な運動買収のスキームは全国に知れ渡ってしまいましたので、もしも起訴されなければ全国で横行しまうでしょう。京都地検は捜査を尽くして必ず起訴して欲しいです」
来年は統一地方選挙で京都府議会議員選挙、京都市市議会議員選挙が行われる。「マネロン」の手法でお金をもらった自民党の地方議会の政治家たちも多くが立候補することだろう。金銭の授受があった政治家たちの責任を問うのは当然だが、そうした政治家を選ぶのか、NOを突き付けるのか、有権者もまた、問われていると言える。
◆これがカネ受け取った議員56人
21年の衆院選でお金を受けとった地方議員は以下の通り。()内は選挙区。受け取った額はいずれも50万円である。
岸本裕一元府議(北区)、山本恵一市議(北区)、谷口みゆき市議(北区)、宮下友紀子府議(上京区)、寺田一博市議(上京区)、中村三之助市議(上京区)、青木義照府議(中京区)、加藤昌洋市議(中京区)、津田大三市議(中京区)、小巻實司府議(下京区)、下村明市議(下京区)、山集麻衣子市議(下京区)、秋田公司府議(南区)、椋田隆知市議(南区)、嶋本京司市議(南区)、石田宗久府議(左京区)、桜井泰広市議(左京区)、豊田恵美市議(左京区)、荒巻隆三府議(東山区)、平山貴大市議(東山区)、菅谷寛志府議(山科区)、吉井章市議(山科区、現参議院議員)、渡辺邦子府議(伏見区)、前波健史府議(伏見区)、橋村芳和市議(伏見区)、道端弘之市議(伏見区)、繁隆夫市議(伏見区)、能勢昌博府議(長岡京市)、磯野勝府議(向日市)、二之湯真士府議(右京区)、北原慎治府議(右京区)、森田守市議(右京区)、井上与裕市議(右京区)、田中崇則市議(右京区)、近藤永太郎府議(西京区)、田中明秀市議(西京区)、西村義直市議(西京区)、田中英夫府議(亀岡市)、中村正孝府議(亀岡市)、片山誠治府議(南丹市・船井郡)、家元優府議(福知山市)、井上重典府議(福知山市)、池田正義府議(舞鶴市)、四方源太郎府議(綾部市)、中島武文府議(宮津市・与謝郡)、森口亨府議(京丹波市)、藤山裕紀子府議(宇治市)、荻原豊久府議(宇治市)、園崎弘道府議(城陽市)、田島祥充府議(八幡市)、古林良崇府議(京田辺市・綴喜郡)、兎本和久府議(木津川市・相楽郡)
■ 鈴木祐太 (すずきゆうた) 1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
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