(参考写真)街頭で住民の移動に目を光らせる安全員。2011年1月平壌市郊外で撮影キム・ドンチョル(アジアプレス)

◆拘禁施設では暴行や拷問が横行

文書に出てくる拘禁施設について説明しよう

〇「待機室」
まだ逮捕に至っていない嫌疑者を調査する拘禁施設だ。ここで法的制裁が必要と判断されれば正式に逮捕・取り調べとなる。

昨年12月に北部地域に住む取材協力者が伝えてきたところによると、子供の具合が悪くなったため、夜間通行が禁止になる18時を過ぎて鍼灸師の所に行こうとした母子が、中国への越境企図を疑われて朝まで「待機室」で拘禁されたという。

韓国在住の脱北者によると、「待機室での調査で逮捕の是非が判断されるため、賄賂やコネを使って何とか出ようとする。一方で罪を作り出すと言えるほどの激しい暴行、拷問が横行している。先行きを悲観して自殺者する人、ボタンやスプーンなどを飲み込んで何とか出ようとする人も少なくなく、看守が部屋の前で24時間監視している」という。

〇「抑留室」
逮捕後に法的処理決定まで短期間の拘留、調査を行う。留置場に相当する。秘密警察である保衛部も使用することがあるという。

〇「拘留場」
裁判の判決を待つ人が収監され、尋問が追加で行われる。日本や韓国の拘置所に当たるが警察署にある。家族による面会や差し入れが可能。教化所(刑務所)、労働鍛錬隊などに移送されるまで拘禁される。

※「労働鍛錬隊」 社会秩序を乱した、当局の統制に従わなかったと見なされた者、軽微な罪を犯した者を、司法手続きなしで収容して1年以下の強制労働に就かせる「短期強制労働キャンプ」のこと。全国の市・郡にあり安全局(警察)が管理する。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

 

 

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