◆まだ不十分な箇所「確認します」

じつは報告書の「原文には存在しない」うえ、「日本の行政が2つの文章を意図的とも思える誤訳とともに都合良くつなぎ合わせた“ねつ造”といってよい代物」で、環境省では同じ意味合いの記載を筆者の指摘を受け2015年以降の発表で削除している。 市は「関係省庁や各自治体において使用されていた」と自分だけではないと言い訳しつつも、「誤解を招く表現であるとの理由から、関係省庁において、この表現自体を使用していない方向にあります」と認めた。また「本市としても、この表現を使用することによる誤解を避けるため、本文から削除する」と説明した。 労働者の石綿ばく露については、訂正により追加されたのは「火災ごみの清掃」と「これまで西棟の工事」に従事した「施工事業者の皆様がばく露した可能性がある」との記載にとどまっており、不十分である。 ほかに石綿ばく露した可能性のある人として、 (1)吹き付け材の落下時の飛散で近くにいた人 (2)吹き付け材の落下時における片付けや清掃にたずさわった人やその際に近くにいた人 (3)「火災ごみの清掃」と「これまで西棟の工事」で近くにいた人 が挙げられる。直接作業に従事していなくても、たまたまその近くにいた別の作業をしている人や施設利用者も間接ばく露した可能性があり、きちんと網羅すべきだろう。 市に問い合わせると、「わざとではないですが、抜けてしまったかもしれない」と話す。改めて追加すべきではないかと指摘したところ、「上司に報告します」と答えた。 【関連写真】大阪市・中央卸売市場本場西棟でアスベスト含有吹き付け材が火災や落下ではく離したようす

 

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