◆検問の瞬間を撮った
写真4、5に写っているのは兵士による検問の様子だ。保衛局(秘密警察)が管轄する「10号哨所」だろう。停めてあるロングバンのタクシーから降りた乗客が順に検査を受けている。身なりから事務職だと思われるが、写真を見た脱北者は、「平壌や新義州(シニジュ)から来た幹部か貿易会社の人間ではないか」とのこと。「10号哨所」では、身分証や通行許可証、携帯電話が主にチェックされる。
写真6は、検問を通過したタクシーが橋の上を走っている。欄干にも厳重に有刺鉄線が張られている。
◆北朝鮮国民は「籠の鳥」状態
写真7では川べりにも有刺鉄線が幾重にも張られている。その背後の畑はおそらく緩衝地帯だろう。農作業をする住民も立ち入りの際に許可を得なくてはならない。2020年8月、許可なく緩衝地帯に入った者は銃撃するという内容の布告が警察名義で出された。後ろの建物はアパートのようだ。
写真8、9は、有刺鉄線で封鎖された「内側」を移動する女性たちの姿だ。高圧電線の設備や作物盗を監視する小屋が見える。写真10、背中を向けているのは国境警備兵だ。
すべての写真は2023年9月下旬に平安北道の朔州郡を中国側から撮影したものだ。(アジアプレス)
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。( 続く6へ >> )
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