救出作業の様子を不安そうに見守る近隣住民。(2024年3月・オデーサ・撮影:玉本英子)
昨年5月、南部ヘルソンで取材した、2機のシャヘド136が炸裂した現場。鉄筋コンクリートの建物が上部から吹き飛ぶ破壊力だった。(2023年5月・ヘルソン・撮影:玉本英子)

◆威力すさまじい自爆ドローン

同日、ゼレンスキー大統領はビデオ声明を通じて、「これは人びとの命を破壊し、脅迫することだけを目的としたテロ行為」とロシアを強く非難し、同盟国にさらなる武器の支援を求めた。

シャヘド・ドローンの威力は想像以上に大きい。昨年、南部ヘルソンで、シャヘド136が2機が直撃した建物を取材したことがある。鉄筋建ての教職員関連施設の上階部分のコンクリートを、フロアごと大きく吹き飛ばすほどの破壊力だった。

オデーサ州検察庁は、今回のドローン攻撃を戦争犯罪として捜査すると表明。これまでに確認された犠牲者は住民12人が死亡し、うち5人は子どもだった。

住民12人が死亡し、うち5人は子どもだった。(2024年3月・オデーサ・撮影:玉本英子)
ウクライナ南部オデーサ。(地図作成:アジアプレス)
攻撃があった4日後、ゼレンスキー大統領はギリシアのミツォタキス首相との会談でオデーサを訪問。両首脳は破壊された集合住宅を訪れ、犠牲者を追悼して献花した。(3月6日・ウクライナ大統領府公表写真より)

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【ドローン「シャヘド」】
シャヘドはイランが開発、生産する自爆攻撃型ドローンで、シャヘド136と131などが知られる。シャヘド136は全長約3.5m。ロシア軍の呼称ではゲラン1(シャヘド131)、ゲラン2(シャヘド136)。機体はイランで製造されたもので、最近では一部がロシア国内でライセンス生産が開始されたとも報じられている。ウクライナでは、ロシア軍のシャヘド・ドロ-ンによる攻撃が増加しており、被害があいついでいる。ウクライナ海軍司令官によると、2023年7月以来、オデーサ地域の港湾インフラに対して880機以上のドローン攻撃があったとしている。

 

 

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