◆「瓦礫かきわけ遺体を運び出すときがつらい」
連日、ウクライナに撃ち込まれるロシア軍のミサイルや砲弾。軍事施設だけでなく、住宅地、学校までもが狙われる。着弾現場に駆け付け、住民の救助に奮闘するのが消防隊だ。ウクライナ南東部、ザポリージャ市で隊員たちの声を聞いた。(玉本英子)
住宅地に炸裂するミサイルと砲弾。燃え上がる炎に立ち向かい、立ち込める煙のなか瓦礫に埋もれた住民を助け出す消防隊員たち。その姿は、この国の悲しい日常の光景の一部となってしまった。
◆防弾ベストで消火作業
「ミサイルが着弾した住宅で泣き叫ぶ住民を見たとき、そして瓦礫をかきわけ子どもの遺体を運び出すときが、本当につらくてたまりません。激しく揺れる心を抑え、冷静になれ、と自分に言い聞かせて任務を続けています」
ザポリージャ消防隊のステツェンコ・ヴォロデミロヴィチ隊長(35)は、心情を打ち明ける。あいつぐ住宅地への攻撃と犠牲のなか、それを止める手立てがないことに複雑な思いだという。
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