◆シリア人写真記者が伝えるイドリブの日常

内戦から13年を迎えたシリア。北西部イドリブは現在、反体制勢力の実効統治下にある。一帯はアサド政権のシリア政府軍からの爆撃にさらされ、また反体制武装組織各派の勢力争いも繰り返されてきた。戦火に翻弄される市民の姿を記録してきたシリア人の写真記者、オマール・ハジ・カドゥール氏(37歳)が、イドリブの日常を伝える。全2回。(写真はいずれもオマール・ハジ・カドゥール氏撮影 構成:玉本英子/アジアプレス

<シリア>化学兵器攻撃の被害住民「悲劇、繰り返さないで」

 

イドリブはイスラム武装組織、シャム解放機構(HTS)が主導する行政機関「シリア救国政府」が実効統治する。写真はHTSの強権統治で刑務所に収容された活動家の釈放を求める市民デモ。(2024年9月・イドリブ・撮影:オマール・ハジ・カドゥール)
散発的に起きる市民のデモだが、実力で解散させられることもしばしばだ。デモを排除しようと投入されたHTSの車両に抗議する市民。(2024年5月・イドリブ・撮影:オマール・ハジ・カドゥール)
HTSの戦闘員。HTSはアルカイダ系イスラム武装組織だったヌスラ戦線が再編を経て、結成された。イドリブを拠点に活動。地元活動家や記者を拘束するなどし、問題となっている。(2024年5月・イドリブ・撮影:オマール・ハジ・カドゥール)
13年に及ぶシリア内戦。2011年からの10年間で30万人の民間人が死亡。660万人が周辺国へ逃れ、国内避難民は670万人におよぶ。(2022年UNHCR統計) 地図作成:アジアプレス
シリア政府軍による反体制武装勢力への攻撃は続き、民間人の犠牲も絶えない。村にパンを運んでいた小型トラックが、政府軍の自爆型ドローンの攻撃を受け、破壊されていた。(2024年7月・イドリブ・撮影:オマール・ハジ・カドゥール)

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