◆木炭車を目撃、中国製トラックを改造
満浦中心に向かう道路には、軍が管理する哨所(検問所)がある。この日も、兵士が男性住民の通行証を確認したり、車を一台ずつ止めて検査したりする様子を確認できた。
哨所の手前では、モクモクと白煙を吐く木炭トラックも目撃した。文字通り木炭を燃料として動く自動車だ。一時停止したその荷台には食糧らしきものが積まれ、兵士が冬用の軍服を載せたり、人々が荷台に上がり込んだりする様子が見えた。「FAW」というメーカー名から、トラックは中国製であることが分かる。エネルギー不足の北朝鮮では、中国からの輸入車をわざわざ木炭車として改造して使っているということなのだろう。
◆固く閉ざされた通商口、往来はストップしたままか
北朝鮮はコロナウイルスの発生を理由に、2020年1月から中国との国境を完全に遮断し、人とモノの往来を厳格に禁止していた。2023年夏以降、新義州-丹東、恵山-長白など代表的な通商口では、本格的な貿易再開が確認されている。
しかし、取材チームが訪れた10月時点において、集安側の税関の門扉は、平日にも関わらずワイヤーか紐のようなもので硬く閉ざされており、人の気配がなかった。
※写真はすべて慈江道満浦市。2024年10月、中国側から撮影アジアプレス
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