哨所(検問所)の手前で一時停止する木炭車。白い煙が上がっている。エネルギー不足の北朝鮮では、中国からの輸入車を木炭車に改造して使っている。

北朝鮮慈江道(チャガンド)は、深い山間部に位置する軍需産業の中心地だ。最近では、米国のシンクタンクが、慈江道にあるミサイル基地を新たに特定したという報道もあった。こうした地理的・経済的特性上、北朝鮮国内においても、慈江道へ入ることは厳しく統制されており、中国と国境を接しながら脱北者の数も少ない。10月中旬、謎に包まれた慈江道満浦(マンポ)市を対岸の中国吉林省集安市から撮影した。人々の暮らしの一端を写真で報告する。(洪麻里)

深い谷間の裾野に広がる集落。背後の山は所々、耕されて畑になっている。手前の白い支柱には有刺鉄線が張り巡らされている。
手前は唐辛子畑だろうか。農場員らが収穫した作物を牛車に載せている。牛は農場の共有財産で、今も農耕には欠かせない労力だ。
屋根の上で、トウモロコシがぎっしりと干されている。トウモロコシは主食で、乾燥させて砕いたものを炊いたりお粥にしたり、粉末から麺を作って食べる。手前のリヤカーでは子どもたちがひっくり返るように寝ている。

女性が乗る自転車の前かごには、「満浦」と居住地を示す登録証がつけられている。
昼食時に作業から戻る農場員たち。飼料にするのか藁を抱えている。奥の家の屋根にはトウモロコシが干してある。

★新着記事