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死者、行方不明者が1000人以上発生したともいわれる7月末の集中豪雨。金正恩政権は当初、10月10日の朝鮮労働党創建日までに復旧作業を完了させて、家を失った全ての被災世帯を入居させるよう指示していた。しかし、10月中旬に中国側から確認したところ、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市に接する義州(ウィジュ)郡でも、軍人らを中心に、雨が降りしきる中、復旧作業の真っ最中だった。(洪麻里)
<超望遠レンズ撮影>北朝鮮の水害復旧現場は今(2)見ているだけで心配…目立つ疲れた姿、高層階でノーヘル作業の若い女性も(写真8枚)
◆大雨降っているのに「継続前進」で作業
新義州市から鴨緑江を上流に車で30分ほど走った義州郡でも、大規模工事の様子が確認できた。動員されているのは、ほとんど軍人のようだった。
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この日は、土砂降りの雨が降ったり止んだりする天気だったが、関係なく建設作業は進められていた。雨にあたりながら作業する兵士たちの背後には、「継続前進」などのスローガンの大看板が掲げられている。無言のプレッシャーを与えているようだった。
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◆井戸で野菜や手袋を洗う作業員の姿も
昼時になると、現場から人影が消えた。
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アパート群の建設現場から離れた場所には、兵士たちが寝泊まりするブルーシートで覆われた簡易宿舎があり、HITACHIのショベルカーも使われていた。
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時おり、資材を運ぶとみられるトラックが宿舎脇の検問所を通過していた。
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