世耕弘成衆院議員が代表を務める政治団体「紀成会」が、贈答品を購入していたにも関わらず、政治資金収支報告書に記載すべき金額や日時等を「不明」と記載し、さらに領収書は紛失したとして提出しなかったことについて、政治資金規正法の不記載、領収書の不提出罪などで13日、世耕衆院議員ら3人が刑事告発された。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)
◆金額、日時、支出先のいずれも「不明」続々
刑事告発をしたのは、神戸学院大学の上脇博之教授だ。
告発状によると、世耕議員の「紀成会」は2023年に贈答品として少なくとも25万2000円を支出していたにもかかわらず、収支報告書には金額、日時、支出先のいずれも「不明」と記載していた。これが規正法の不記載罪にあたると告発状では指摘している。さらに、購入した領収書を保存しておらず、これも違法だとしている。
世耕衆院議員は、安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー販売収入をキックバックとして1542万円を受け取っていた。このいわゆる裏金問題の発覚を受けて、「紀成会」は、2022年分までの収支報告書の修正を今年2月に行った。
その際、安倍派からのキックバックを寄付金として計上するとともに、いくつかの支出を書き加える訂正をしていた。
その22年分の訂正の一つが、贈答品代として村上開新堂に毎月2万1000円、年合計25万2000円を支出しているという追記だ。21年に関しては、毎月ではないもの同じく村上開新堂から、6カ月分合計12万6000円を支出したという追記を行っていた。
そして問題の23年分だ。「不明」とされた金額を25万2000円としたのは、村上開新堂への毎月の支出が23年も継続したと強く推定されるという理由からだ。
世耕衆院議員は、今年2月29日に安倍派からのキックバックを寄付金とした収支報告書を訂正した。その際、世耕事務所は「一部の贈答品等は領収書が残っていない」とした上で「今年5月に提出予定である23年の収支報告書において……贈答品代は150万円程度を計上する見込みで、これらに関して全て領収書は残っています」という文書を公表した。