◆農場協同化の経緯
1946年3月、北朝鮮で土地改革が実施された。「無償没収、無償分配」の原則の下、少数の地主が所有していた5町歩(約5ヘクタール)以上の農地は農民個人に分配された。
1958年に農業協同化が完成すると、農民個人の所有だった農地は、農業組合の協同的所有に転換された。1962年には、組合が里単位の協同農場として改編。以降、60年以上にわたって土地は農民の集団的所有とされてきた。
◆農地国有化なら政策大転換
全国の協同農場が国営化されたのであれば、土地の所有権は国家に完全に帰属するということだ。これは日本の植民地支配から解放されて以来、農地が協同的所有から国家所有に転換されるわけで、見逃すことのできない大きな変化である。
金正恩氏はパンデミック以降、中央集団的統制を強化している。農地国営化が断行されているとすれば、その流れの中にあるのは間違いない。今後の動きが注目される。
アジアプレスでは、咸鏡北道で以外でも農場の名称変更があったのか、現時点で確認できていない。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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