
斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ発言などを断罪した第三者委員会の報告書が公表された。実は兵庫県は関連して別の二つの第三者委員会を設置している。亡くなった元県民局長の私的情報を前総務部長と立花氏が公開・流布させた疑惑に関するものだ。だが、県は関連する公文書の公開を拒否している。3月25日、神戸地裁にあらためて情報公開請求訴訟が提起された。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)
◆実は三つあった第三者委員会 うち二つはブラックボックス
今回、訴えを起こしたのは神戸学院大学の上脇博之教授だ。情報公開請求訴訟の対象となった第三者委員会は二つある。
ひとつは兵庫県の元総務部長らが、亡くなった元県民局長の公用パソコンにあった私的情報を兵庫県議らに情報漏洩した件を調査している第三者委員会だ(漏えい・「前総務部長疑惑ルート」)。
もう一つは、「NHKから国民を守る党」の立花隆志党首が、動画サイトやSNSで元県民局長の私的情報データを公にしたことを調査する第三者委員会だ(漏えい・「立花氏ルート」)。
兵庫県は、この二つの第三者委員会に関して、設置要綱や委員の人数、氏名などを明らかにしていない。
◆非公開とされた基本的な情報一覧は次の通り
上脇教授は、この二つの第三者委員会に対して、情報公開請求した結果、非公開とされた公文書は次の通りだ。
・弁護士会への委員推薦依頼文書、弁護士会からの委員推薦文書
・第三者委員会設置に関する条例・要領などの根拠文書、第三者委員会の運営文書
・第三者委員名簿
・知事が報告を受けてから第三者委員会の設置までの経緯文書(※1)
・第三者委員会設置文書
・第三者委員会設置や形式・内容等の検討・協議文書(※2)
・委任契約書等
・斎藤知事が「公益通報だというふうに指摘されている方もおられます」と報告を受けたことをまとめた文書(※2)
※1;漏えい・「立花氏ルート」に関しては不存在
※2;漏えい・「立花氏ルート」のみ公開請求