
◆路上からの抵抗
ウクライナ南部、オデーサ。街角のあちこちで出くわすのが、建物や壁に描かれた猫キャラクターのグラフィティだ。神出鬼没の「オデーサ猫」のペイントは、おちゃめな姿で郷土愛に満ちたメッセージを発信し、市民の心を和ませ、兵士たちを勇気づける。グラフィティで侵攻に立ち向かう、路上からの抵抗とは。連続企画「ウクライナ・アートの現場」第2回。(取材・写真:玉本英子・アジアプレス)


◆グラフィティで侵攻に立ち向かう
建物や壁にカラフルなスプレーペイントで描くグラフィティ。オデーサの街角で、独特の猫キャラクターのグラフィティを描き続けるのは、アート集団LBWSだ。主要メンバーのひとり、イホール・マトロスキン氏(31)は、建築工学を専攻し、測地学の教員だった。のちにアートを独学で学び、仲間とともに、LBWSを立ち上げた。



2022年2月、ロシア軍がウクライナに軍事侵攻した時のことを、イホール氏は振り返る。
「大規模な侵攻や全土へのミサイル攻撃なんて、まさかと思った。最初の数日間は恐怖した。そして次に、とにかく何が自分にできるのか、思いを巡らせた」
兵士たちが市内に作ったバリケードと検問所をまわり、自家用車用に保管してあったガソリンのタンクを燃料用にと届けた。


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